本紙紙面

2022年10月12日配信

【プロダクトナウ/開発者インタビュー】
カーテン見本帳「mode S VOL.10」スミノエ
縦3メートルの大リピートが特徴の「Dynamic series」
自然なドレープ性を実現する「Drapeable series

「Dynamic series」
「Dynamic series」

 (株)スミノエ(村瀬典久社長)は、オーダーカーテンのメイン見本帳「mode S(モードエス)VOL.10」を、さる7月20日に新発売した。
 「mode S VOL.10」のデザインテーマは「BLUR(ブラー)」。これは「境界をぼかす」「曖昧にする」という意味の言葉で、部屋の内と外の境界線を曖昧にし、つながりを持たせ、自然からインスパイアされたデザインが多彩に提案されている。

 今回は(株)スミノエMD部商品部ファブリック部長の河村和幸氏に「mode S VOL.10」の開発ポイントについて話を伺った。

「JAPANTEX 2022」会場で実物を体感していただきたい

「Dynamic series」大空間に映えるデザイン
「Dynamic series」大空間に映えるデザイン

 これまで「mode S」は、モダンテイストに寄り添った、いわば「HARDMODERN」なコレクションでした。時代が求めていたこともあり、少し尖ったコレクションとして高く評価していただきました。しかしニーズも変化し、明るくやわらかなカラーが求められる中で、今作から従来の「HARD MODERN」に「SOFT ELEGANT」をプラスし、エレガンスやクラシックなども含めてより幅広いニーズに対応できるようにしました。

 柄だけでなく、カラーでも幅広くテイストを表現しています。例えばモダン柄であってもエレガンス系のカラーを展開するなど、同柄でもテイストの幅を広げる工夫をしています。全体的に非常に使いやすくなったと考えています。

 その中で、テクニカル(製法)な部分で特徴的な商品を2つご紹介します。「Dynamic  series(ダイナミックシリーズ)」と「Drapeable series(ドレーパブルシリーズ)」です。

 「Dynamic series」は、大型窓向けに開発した縦3メートル、横1.5メートルという大リピートのジャカード織物シリーズです。前作の「mode S VOL.9」に初めて収録しましたが、好評のためラインナップを拡充しました(新柄の品番はD-4001、D-4003)。
 近年の住宅は耐震構造の進化によって窓の大開口化が進んでいます。リビングでは天井から床まで壁一面を窓にするような住宅も登場しています。そうした特別な空間に映えるカーテンを提案したいという思いから開発したものです。

 プリントなら縦3メートルのリピートでもそれほど難しくありませんが、ジャカードとなると難易度は比較になりません。例えば、15センチの縦リピートをつくるだけでもたくさんの紋紙が必要となりますから、縦3メートルのリピートならとてつもない数の紋紙が必要となり、当然ながらコストも高くなります。



 これを通常通りに製造するなら、とても見本帳に掲載できるような価格には収められません。そこをさまざまなアイデアと工夫でこの価格での提供を実現しました。

 また、「Dynamic series」と合わせるレースとして、同じく縦リピート3メートルのプリントレース、あるいは腰窓など2窓以上でコーディネートする場合の無地ドレープなどもご用意しています。

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