業界ニュース

2015年1月26日配信

ケルンメッセ「Pure Textile」最新動向レポート

 TRENDS NAVIGATOR ZEN(福田行雄代表)は、immケルンのテキスタイルエリア「Pure Textile」(ピュアテキスタイル)の最新動向について、速報レポートを発表した。

<以下福田氏解説>

「MISTY GRAY:霧の彼方に見えるもの」
ハイエンド・ブランド・最高のクオリティに触れる至高の瞬間

 ケルンからパリに向かう列車タリス、ベルギーに入ると外の景色は薄い霧が漂う、家や木や田畑が霧に覆われパステルトーンの色彩である。レンガ壁のライトブラウンはパステルのベージュへ、外壁のグレーも同じライトのグレージュに見える。強い色は霧のベールでソフトでやさしいライトグレイッシュに見える。ヨーロッパ国民の色彩感DNAには、この景色が組み込まれているだろうという印象を抱いた。

 「Pure Textile」(ピュアテキスタイル)は2年置きに開催されるハイエンド・ブランドが一同に揃うフェアである。ハイムテキスタイルには出ず、ケルンメッセに出展する。ファブリクスに関心ある業界関係者にとっては最高の商品に出会う場所であり、何よりも良いのはメイン通路の両脇にブース出展されるので見学の動線移動が楽な点である。

 主な著名なブランドは・creation baumann・Christian Fischacher GmbH・JAB Josef Anstoetz KG/Teppiche Heinz Anstoetz,・Nya Nordiska Textile GmbH・ROMO GROUP、GmbH・SAHCOHesslein GmbH,・Zimmer+Rohde GmbHがテキスタル系で、ラグカーペットのトレンドセッター的存在であるStpeviも出展。 これらのハイブランドは一般論としてのトレンド指標ではない。ハイエンドとは強い自己主張するハイクオリティの世界、車で言えばフェラーリである。超高額所得者対象の別次元の商品群である。世界の10%市場をターゲットとする最高品質のテキスタルと位置づけられる。

写真(1) MISTY GRAYのトーン
写真(1) MISTY GRAYのトーン

写真(2) 触感追求する
写真(2) 触感追求する

 Pure Textileの注目商品を数点紹介しよう。実は、Pure Textileのブースに立ち、数カ所のファブリクスを見て感じた色彩感がMISY GRAYの世界=霧がかった色彩である。強い刺激的な色彩は数点のアクセント的に存在し、多数の主力商品の色彩傾向は、ライトグレイトーンのフィルターにかかった、渋みのブラウン、グリーン、ブルー、アイボリーからベージュグレーが多い。なにやら、日本の侘び寂び世界の色彩観と一脈通じるような色の世界観である。(写真(1))

 最も注目すべきデザイン的なポイントは「色柄よりもテクスチャーが優先したテキスタイルがメインストリーム」最先端最高のファイバー、高難度の最新技術を駆使、磨かれたオリジナリティ溢れるデザイン、この3要素が生み出す最高品質のテキスタイル群がある。その結果、何よりも触れていて気持ちがよいテキスタイルが多い。(写真(2))

 今モノ作りのデザイナーにとり、最大の関心は「触感」なのだ。車、携帯、パソコン、ファッションも同様である。この触るという感覚は現物でないと理解出来ない、二次元のネット画面では味わえないリアル情報である。どのような触感デザインするか「わくわくどきどきするような、幸せになるようなタッチ」がトレンドである。ハイムテーマのエクスペリエンス(体験する)と同様である。

 あるハイエンド・ブランドのデザイナーと談笑した際に言われたことに「トレンドという言葉を社内で使うことはまったくない。他社のデザインを見て参考にすることもしない」と言われた。話の本質は「クリエーションすることは、デザイナー自身の内面から自分の感性を基に今表現したい事をデザインすること、これがクリエーションである。商品化された時点で時代の気分が漂うこともあるが一番大事な事はオリジナリティであり、個性的なイメージで存在感をアピールして行く事で、ブランド価値を高めるデザイン戦略を優先する」

 どうも「辺境の国 日本」(内田樹著)が指摘した様に「明治以降、日本は海外の国をお手本にしてそれを模倣する、日本に合う様に変えて行く事から、政治体制や組織がスタートした。周りをきょろきょろ見渡して、周囲の動きに敏感機敏に反応する事に意識を集中してきた。こうした意識を強く持つ国は日本だけの個有の国民性である」いわばトレンドという言葉に過剰反応するのではなく、そこから物事の本質、深層を理解することが、デザイナーに必要な行為である。表層的なものではなく時間を掛けて「なぜこの色か」と考
える思考回路、自己内面で情報を噛み砕き、その後に自己感性でトレンドを再構築後に表出させる、表層模倣ではないアレンジでもない、自分のフィルターで解釈したトレンド活用が今求められている。

 一歩距離を置く、鳥の視点で見る、客観的に分析するというアナリスト視点が必要である。クリエーションとは本来、オリジナリティが原点である、デザインとはサムシングニュー、斬新さ、こそが命である。

 なおデザイントレンドの詳細は、「ヨーロッパ・インテリアトレンドセミナー」にて多面的に解説するとしている。福田氏によるセミナースケジュールは下記の通り。

■「ヨーロッパ・インテリアトレンド活用術」
<東京会場/OZONE>
日時:2015年1月30日(金) 18:00~20:00
会場:リビングデザインセンターOZONE(8Fセミナールーム)
参加費:4500円(見本市トレンド画像CDつき)
定員:60名(先着順)
申込先:OZONEホームページ専用フォーム(下記アドレス参照)

<東京会場/日本ファッション協会>
日時:2015年2月2日(月) 15:00~17:00
会場:日本ファッション協会7階会議室
参加費:5000円(会員は4000円)セミナースライドDVD付き
定員:30名前後
申込先:日本ファッション協会・川田氏
申込先メール
kawada@japanfashion.or.jp

<名古屋会場>
日時:2015年2月20日(金) 15:00~17:00
会場:ウインクあいち 12階1206室
参加費:5000円(税込)セミナースライドDVD付き
定員:30名前後
申込先:TRENDS NAVIGATOR ZEN 福田行雄氏
申込先メール:
jeepred@snow.email.ne.jp

<大阪会場>
日時:2015年2月23日(月) 15:00~17:00
会場:大阪産業創造館 5階研修室C
参加費:5000円(税込)セミナースライドDVD付き
定員:30名前後
申込先:TRENDS NAVIGATOR ZEN 福田行雄氏
申込先メール:
jeepred@snow.email.ne.jp

■東京会場/OZONEの詳細・申込先
http://www.ozone.co.jp/event_seminar/seminar/seminar_c/detail/1765.html

インテリアビジネスニュース購読案内

インテリアビジネスニュースは、インテリア専門店動向をはじめとするインテリアビジネスの最前線情報から消費者動向に至るまで、幅広く、深くインテリアビジネスに関する情報を発信しています。
より詳しくインテリア業界を知るための必携の専門新聞です。

  • ご購読のお申し込み
  • サンプル紙ご請求

IBNewsグループサイト

インテリアビジネスニュース
月2回発行
インテリア業界専門新聞
カーテン買うならこのお店
カーテンショップ選びの
総合情報サイト
カーテントレンドニュース
カーテン業界の
トレンド情報等を発信中!

Get ADOBE FLASH Player
当サイトでは、一部FLASHを使用しております。ADOBE FLASH Player をお持ちでない方は、左バナーをクリックしてダウンロードしてください。