業界ニュース

2025年1月16日配信

YKK AP 「YKK APフェア2024」の資源循環の取り組み結果を公表

環境負荷低減の取り組み
環境負荷低減の取り組み

 YKK AP(株)は、東京ビッグサイトにて9月25日〜27日の3日間にて開催した初の単独展示会「YKK APフェア2024」において、「環境との調和」を考え、展示品やブース資材のリデュース・リユース・リサイクルなど環境に配慮した取り組みを実施、このほどリサイクル・リユース処理が完了し、結果を公表した。

 同フェアは、その規模の大きさから展示物量が多く、ビルファサードの実物展示や二階建てや平屋住宅などの大型展示も行ったため、利用資材や搬入・搬出時のトラック利用も多くなる計画であった。そこで、演出と環境配慮のバランスを取りながら、リユース・リサイクル率の向上に努めた。具体的には、再利用可能な資材の活用、廃棄になる資材削減などによる廃棄物を最小限にする設計の工夫、展示方法や輸送用梱包の最適化などを行った。また、専門事業者とも意見交換を行いながら、搬入・搬出時の輸送の効率化、リサイクル・リユースなどにも取り組み、環境負荷を可能な限り低減して実施した。

 主な取り組みの内容は、(1)紙カタログ・チラシなど、紙資料の使用抑制、(2)展示商品のリユース、(3)展示造作物の環境負荷低減、展示方法の最適化、(4)リサイクルに向けた廃棄物処理の最適化の4点。

 (1)紙カタログ・チラシなど、紙資料の使用抑制では、商品詳細はWEBカタログを活用、会場案内として配布した資料は「見どころMAP」として簡潔にまとめることで紙・印刷塗料の削減を目指した。(2)展示商品のリユースでは、商品の再活用を意識し可能な限り他の展示会で使用した商品を活用したほか、新規造作物についてはフェア終了後に部署別の展示会やショールーム展示に活用するなどのリユースに向けた運用を計画、展示商品約460点中140点のリユースを実施した。(3)展示造作物の環境負荷低減では、床面パンチカーペットの使用を一部のブースでの使用にとどめたほか、壁面印刷出力を抑制してインク使用量を削減した。そして(4)リサイクルに向けた廃棄物処理の最適化では、展示物をリユース・リサイクル・廃棄(エミッションが確定している2商品のみ)の3分類に分けて、リサイクル資材については専門事業者へ処理委託した。

 こうした取り組みの結果、紙資源はマテリアルリサイクル(廃棄物を原料として再利用)100%、展示物資源はマテリアルリサイクルが14%、サーマルリサイクル(廃棄物を燃やして熱エネルギーとして回収)が78%、エミッション(埋立など)が8%となった。

 結果として、当初の想定よりもサーマルリサイクル率の比重が高くなった。その原因として、大型で異なる2種類の素材を組み合わせた複合材は、解体が難しく、現時点ではサーマルリサイクルまたはエミッション処理を行わないとリサイクル過程の燃料や輸送での環境負荷が高くなってしまう場合があること、木工資材については経師の紙残り、釘やタッカーのステープルなどが付着している場合や木工ボードの加工、使用素材によりチップなどへの再生原料にすることができなかったことなどが分かった。同社では、これらの結果や得られた知見を今後の展示会の開催に活かすとともに、資源再利用の取り組みを強化し、さらなる環境負荷の低減を目指していくとしている。

資材を種類別に分けている様子
資材を種類別に分けている様子

リサイクル結果
リサイクル結果

YKK APフェアの様子(動画)
YKK APフェアの様子(動画)

YKK APフェアの様子(動画)
https://eqm.page.link/3UbS
YKK APのホームページ
https://www.ykkap.co.jp

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