業界ニュース

2015年1月22日配信

「ドモテックス2015」最新動向 カーペットとLVTに注目

 TRENDS NAVIGATOR ZEN(福田行雄代表)は、「ハイムテキスタイル2015」に引き続き、フロアカバリングの国際見本市「ドモテックス2015」の最新動向として、「斬新視点で見る:カーペットとLVT(ラミネートビニールタイル)」と題したレポートを発表した。

<以下福田氏解説>

 今回のドモテックスの最大の話題は、繊維系床材、主にカーペット類の展示スペースが非常に広く展開され多数のカーペット企業が出展していたことである。この4、5年間のドモテックス展示ではなかった規模であり、ブースは活況を呈していた。ややもすればここ数年カーペットは硬質床材にシェアを奪われ存在観を薄めていたようなジャンルもあるが、今回の動きが今後のマーケティングにどう反映するのか注目したい。

 さて、展示品に中で注目した商品を数点紹介したい。選択理由は「既存品にないイノベーション提案」があること。細部のフェースリフト、改善改良品ではなく、インパクト狙いのデモンストレーション的な商品でもなく「カーペット&LVT」で日本国内では存在しないセグメントの商品に焦点を当ててみた。

■カーペットの注目商品:「Tisca Forte Extreme」;タフでクリーンな高性能カーペット

写真(1)
写真(1)

写真(2)
写真(2)

写真(3)
写真(3)

 ドモテックスの「TALKS: 建築家、コーディネーター等が講師のセミナー」でイギリスの建築家、RossLovegrove氏がカーペットについて講演した。特に気になるキーワードが「living are an easy-carecarpet」という部分である。これが優先課題であると強調していた。ハウジングでもコマーシャル市場でも「easy - care」が求める性能として重要視される中、それに対応しているのがドモテックスアワード品の「Tisca Tiara」社のTisca Forte Extreme(写真(1))はコマーシャル市場対象のsupper-strongpigment-dyed yarnによる耐久性、耐摩耗性、またガーデンホースで洗えるというタフなカーペットである。easy-careで高機能・高性能がセールスポイントである。

 また「コマーシャル」というセグメントで斬新な人工芝タイプの新デザインを提案していた、見ていて楽しいデザインである。(写真(2))また不織布タイプ(日本では展示会場の床等に使用される最も安価な不織布タイプ床材)も多色展開、糸のミックス感もバリエーション展開し、イベント対象には歓迎される斬新な表情で提案されていた(写真(3))。

■LVT(ラミネート床材)の注目商品:Beaulieu International Group社:「Pure Click LVT 」

今宿泊しているホテル ibis Dusseldorfは2年前に改装、部屋の床は硬質系LVT「木目」である。おそらく改装前はロールカーペットだっただろう。昨年、世界的に有名な海外床材メーカー・MDマネージャーに「何故、ロールカーペットからラミネートに変わったのか」と質問すると「大きな問題は汚れが取りにくいからだ」と即答された。最近米国の住宅市場ではラミネート床材(LVT)の市場が毎年前年比15%前後の伸びで好調、その動きがヨーロッパへ浸透拡大している。普及品が厚さ7mm規格、断熱防音性能を高めた22mm厚迄ある。EUハウジング、ホテル市場等では今後このLVTが従来のカーペットに置き換えられると予測する。

 EUでは床は石か木かカーペットが普通であったが、LVTは石と木と同等評価の扱いである。日本と異なりラミネート的製法で印刷するので柄の繊細さ色の深み、平板のエンボス原稿が柄と見事に同調しているのでデザイン、リアル感は日本製品よりも数段優れている。

写真(4)
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 そうした市場背景を踏まえ、 Beaulieu International Group社は数年前よりLVTのイージー施工を提案、今回ブースで施工実演を行い、多くの見学者を集めていた。「Pure Click LVT」(ドモテックスアワード品)の簡単施工を提案(写真(4))短時間簡単施工の提案、周囲の爪が相互に噛む事で連結固定する。こうした提案を強く地道にアピールする企業姿勢を高く評価したい。商品企画とは新柄開発が全てではない、商流や施工など商品が最後に現場に納まるまでの全ての段階を再分析し、斬新な提案をすべきである。

 最後に、LVTについて。「日本の物差しで海外品を見てはいけない」と再認識。ヨーロッパでは自然木材は環境保護に配慮して限定され採用される。LVTはそれに対応して作られている。塩ビ製品がイミテーションの安価品というモノ作りではない。高級なLVTを作り、長く使うというサステイナブルを意識した文化である。どちらが良い悪いの比較ではない、インテリア文化の深い部分でのパーシャスギャップ(認識格差)である。ヨーロッパに来て実物に触れて、人と対話すると脳をリセットする最適な経験となる。

 なおデザイントレンドの詳細は、「ヨーロッパ・インテリアトレンドセミナー」にて多面的に解説するとしている。福田氏によるセミナースケジュールは下記の通り。

■「ヨーロッパ・インテリアトレンド活用術」
<東京会場/OZONE>
日時:2015年1月30日(金) 18:00~20:00
会場:リビングデザインセンターOZONE(8Fセミナールーム)
参加費:4500円(見本市トレンド画像CDつき)
定員:60名(先着順)
申込先:OZONEホームページ専用フォーム(下記アドレス参照)

<東京会場/日本ファッション協会>
日時:2015年2月2日(月) 15:00~17:00
会場:日本ファッション協会7階会議室
参加費:5000円(会員は4000円)セミナースライドDVD付き
定員:30名前後
申込先:日本ファッション協会・川田氏
申込先メール
kawada@japanfashion.or.jp

<名古屋会場>
日時:2015年2月20日(金) 15:00~17:00
会場:ウインクあいち 12階1206室
参加費:5000円(税込)セミナースライドDVD付き
定員:30名前後
申込先:TRENDS NAVIGATOR ZEN 福田行雄氏
申込先メール:
jeepred@snow.email.ne.jp

<大阪会場>
日時:2015年2月23日(月) 15:00~17:00
会場:大阪産業創造館 5階研修室C
参加費:5000円(税込)セミナースライドDVD付き
定員:30名前後
申込先:TRENDS NAVIGATOR ZEN 福田行雄氏
申込先メール:
jeepred@snow.email.ne.jp

■東京会場/OZONEの詳細・申込先
http://www.ozone.co.jp/event_seminar/seminar/seminar_c/detail/1765.html

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インテリアビジネスニュース11月10日号発行