特集

2009年9月26日配信

2009年9月26日配信
ネオコンで日本人初の「CEUセミナー」を開催
「RYOKAN/旅館」を切り口に、日本のデザインをPR
--国際インテリアデザイナー協会
「CEUセミナー」の様子
IIDA日本支部関係者の記念撮影
アメリカ・シカゴで開催される「NeoCon World’s Trade Fair」(ネオコン・ワールド・トレードフェア)は、北米最大のインテリア・デザイン専門見本市である。会期中に実施される「CEUセミナー」(継続教育セッション)は、同見本市のメイン企画の1つとして注目されるが、その講師に国際インテリアデザイナー協会(IIDA)日本支部(プレジデント:細井絵理子氏)のメンバーが選ばれ、さる6月16日にプレゼンテーションを実施した。
「CEUセミナー」とは、CEUポイントが獲得出来るセミナーのこと。アメリカのインテリア・デザイン関連団体は、入会後も一定の基準をクリアしなければ会員資格を更新出来ない仕組みになっている。これは自己研鑽を積まなければプロとして認めない、という厳しい視点から確立されたもので、アメリカの各協会共通のガイドラインとなっている。その基準がCEUポイントの取得で、2年間で約10回の「CEUセミナー」を受講する必要がある(*)。
「CEUセミナー」は当然ながら質の高い内容でなければならず、それに認定されるためには厳しい審査をパスする必要がある。特にネオコン会場で行われる「CEUセミナー」はステイタスが高く、全米のインテリア・建築関係者が講師のイスを狙うなど競合も激しい。
IIDA日本支部では、約3年前から「日本のデザイン」を世界に紹介することを目的に「CEUセミナー」開催の検討を開始した。その活動が具体化した昨年9月には、正式に有志12名によるコミッティー「NCSC」(NeoCon CEU Seminar Committee)を結成、そして同年10月にセミナー案を提出し、見事に「CEUセミナー」に選定された。ネオコンでの「CEUセミナー」に日本から講師が招聘されたのは、これが初めてとのことで、まさに快挙といえるだろう。

(*)更新には2年間で1.0ポイントが必要。1時間のCEUセミナーの場合、0.1ポイント付くのが一般的。

エコの観点から日本デザインの注目度が高まる

さて、今回IIDAが実施したセミナーのタイトルは「RYOKAN-Japanese Hospitality Design Now-」。「旅館」とは心と身体を癒す日本の宿。そこには迎える側の心遣いがあり、隅々にいたる気配りや心からの歓迎がある。さらに身体を清める豊かな温泉と、旬の食材を使った料理があり、自然素材を多用した心落ち着く和の空間がある。こうしたホテルとは違う日本の「旅館」をクローズアップすることで、日本の伝統的なデザインや文化、そして現代のデザインについて紹介しようというのがセミナー最大の狙いである。
旅館を見直すことで伝統的デザインを再認識
旅館は日本の伝統的な癒しの空間
具体的には、旅館についての知識がないアメリカ人にも分かりやすく理解してもらうため、旅館とは何ぞや、という基本的な部分から伝統的な旅館の建築様式やインテリアデザインを紹介する第1部と、若者や外国人にも人気となっているデザイン旅館6軒の実例を見せながら最新のデザイン傾向を分析、解説する第2部、という2部構成で行われた。また1部と2部の間には、旅館での宿泊を疑似体験出来るように、チェックインからチェックアウトまでのさまざまなシーンをスライドショーで紹介した。スピーカーを務めたのは、IIDAプロフェッショナル会員の角田嘉代子氏(第1部担当)と丹羽ちせこ氏(第2部担当)。もちろん言語は英語である。
「通常のセミナーは自分の作品を受講者に見せるという形式が多いのですが、今回は日本のデザインの素晴らしさをアメリカ人に伝えよう、という日本代表のような気持ちで行いました」と語るのは、IIDA日本支部プレジデントの細井絵理子氏。こうした思いが十分に伝わり、セミナーは受講者から高く評価された。とりわけ日本建築の素材に対する関心が高く、和紙や木、その使い方に対する質問が数多く寄せられた。日本のインテリアデザインは自然素材をうまく活用する、いわばエコデザインである。現在アメリカではエコへの関心が急速に高まっていることから、日本のインテリアデザインへの注目度も高まっているようだ。
「我々自身も、旅館について改めて研究することで、日本の建築やデザインのことを見直すきっかけとなり、非常に有意義でした。研究の過程で隈研吾さんにも取材出来ましたし、旅館からはパブリックな写真をご提供いただけるなど、多大なご協力をいただきました。日本の旅館の素晴らしさをダイレクトに伝えることが出来たと思っています。今後も定期的にCEUセミナーを実施していきたいと考えています」

なおIIDA日本支部では、ネオコンでの成功を受け、同じテーマのセミナーを10月22日(木)に東京・新宿のリビングセンターOZONEにて開催する予定。内容は日本向けにアレンジした形となる。定員は60名。参加費は2000円(CLUB OZONE会員は1000円)。

■OZONEセミナー「RYOKAN - Japanese Hospitality Design Now」詳細
http://www.ozone.co.jp/event_seminar/seminar/seminar_c/detail/838.html

国際インテリアデザイナー協会のホームページ
http://www.iida-japan.jp/
その他の特集

インテリアビジネスニュース購読案内

インテリアビジネスニュースは、インテリア専門店動向をはじめとするインテリアビジネスの最前線情報から消費者動向に至るまで、幅広く、深くインテリアビジネスに関する情報を発信しています。
より詳しくインテリア業界を知るための必携の専門新聞です。

  • ご購読のお申し込み
  • サンプル紙ご請求

IBNewsグループサイト

インテリアビジネスニュース
月2回発行
インテリア業界専門新聞
カーテン買うならこのお店
カーテンショップ選びの
総合情報サイト
カーテントレンドニュース
カーテン業界の
トレンド情報等を発信中!

Get ADOBE FLASH Player
当サイトでは、一部FLASHを使用しております。ADOBE FLASH Player をお持ちでない方は、左バナーをクリックしてダウンロードしてください。