特集

2008年2月8日配信

2009年02月08日配信
heimtextil2009トレンドウォッチング--トレンドゾーン編
テーマ 「EXPECT THE UNEXPECTED」(思いがけない驚きを発見する!)
-海外情報
フォーラム0のトレンドゾーン
注目のトレンドゾーンは、昨年よりトレンドセッターがグナー・フランク氏から計5社による若手デザイナーグループに変更されたが、今年はそのトレンドセッターグループにアジア人で初めて日本人デザイナーの南村弾氏(DANプロジェクト主宰)が起用され話題となった。
今回は「思いがけない驚きを発見する!」というキャッチフレーズのもと、「イリュージョニスト」「タイムトラベラー」「フォーチュンテラー」「アルケミスト」「ウィッチクラフト」「エンチャンテッド」という6つのテーマが設定されている。これまでトレンドテーマは4つが基本だったが、多様化するニーズに対応した形で今回より6つとなり、より分かりやすく理解しやすい構成となった。

トレンドゾーンの詳細レポートは、昨年に引き続き本紙特派員の西垣英樹(ヒデキ)氏、越川洋平氏がお送りする。

×   専門店の立場で見た「ハイムテキスタイル2009」展の傾向を、2人の掛け合い形式で報告する。
西垣英樹氏
(decorators代表)
越川洋平氏
(オーブインターナショナル代表)

トレンドゾーンについて
越川 まずは今年のテーマ「EXPECT THE UNEXPECTED」、「思いがけない驚きを発見する!」ということについてですが。
ヒデキ 今までのナチュラルだとかモダンだとかを教科書どおりやるのではなくて、違った手法で思わぬ良い組み合わせを見つけ出せ、もっと言えばそれに慣れろ、ということだね。
越川 今までと違うことにトライしろ、ということを言ってますよね。去年のテーマも「変革するのは今だ」みたいな事を言ってたけど、今年はもっと「思い切れ」と言われてるし、その先に「こうすればいいんだ」という所まで明確に示してくれている。
ヒデキ 今までのルールではもう新しいものが生まれないところまできちゃっているんだろう。だから「思いがけない」という偶然に行き着いちゃうんだろうね。
越川 今年は6つのカテゴリーに分けてトレンドが発表されましたが、それぞれのカテゴリーを見ていきましょう。まずは「イリュージョニスト(手品師)」です。
ヒデキ
やたら真っ白な生地が並んでいて、またナチュラルかと思いきや、よく見ると手が込んでいて、なるほど手品師です。
越川 重そうなのに実は軽い生地とか、レースも重ね合わせることによって新しい表情を見せるとか、なるほど手品師です。
ヒデキ カレンダー加工のような表面だけの加工ではなく、生地の本質の見えるような、フォールディングとかパッドを入れるとか、レイヤーだとか、単なる素材感じゃなくて生地そのものが感じられない加工はダメなんだろうね。
越川 使われている色が白系とペールトーンだけで、やっぱり色でもなくて質感と使い方なんですね。
ヒデキ イメージで言えば「ネオなナチュラル」、もっと言えば「フューチャーナチュラル」。レースにだけこの感覚入れても十分変わると思うな~
2人 なるほど手品師!
越川 次は「タイムトラベラー」。どの時代にもある“美”を掘り起こして、そこに未来をのせて新しいものを生み出す、ということですが。
ヒデキ
例えばアールデコやアールヌーボーのデザインパターンに、ファーやカラーフェザーを組み合わせて、今までのエキゾチックではなく、「ネオエキゾチック」にしたり、新しいものを生み出している。
越川
要は「伝統の再生」ということで、もともと欧米人は好きですよね、こういうの。
ヒデキ 好き好き、ヒデキも好き。
越川 ここでは未来の物の象徴として、人工的に染色されたファーやフェザー、エナメルなんかも使われていましたが、確かにこういうのを合わせると古いものも新しく見えますよね。
ヒデキ 生地の方は古めかしいデザインが目立つんだけど、ピンクやパープルなどの色やビーズやスパンコールを付けたり、サファイア色の大きなガラスのタイバックを合わせたりして、古く見せないんだよね。掟破りが苦手な日本人にはすこしにがてなところ。驚いたのは、洋平が良く使っていたタイバックがここで使われていたよね、うれしいだろ?
越川 先取りですよ!(笑)次は「フォーチュンテラー(占い師)」です。
ヒデキ
とにかくおもちゃ箱をひっくり返した感じかな。全体的な雰囲気はごちゃごちゃなんだけど、ただの何でもアリとは違って、偶然隣りあったものがイケてる組み合わせだったり、それに重なったものがいい雰囲気を出してたり、その良し悪しにセンスを問われるんだと思う。
越川
「マルチミスマッチ」といわれているように、とにかく違う素材を合わせることが重視されていて、組み合わせを楽しもう、ということなんですね。そういう意味ではパッチワークは持って来いの手法ですね。
ヒデキ 色のぶつかり、デザインの組み合わせ、素材同士の違和感、とにかくノールールなんだけど、楽しさが無ければ成立しないのかも知れないね。
越川 色で言うとディープパープルやマットなオレンジなど強い色同士が組み合わされていて、力強さを感じました。デザイン的にはエスニックパターンが特に目立っていて、それが色と組み合わせによって凄くモダンに見えるのが印象的でした。
ヒデキ トレンドセッターの弾クンのイメージが一番出ているカテゴリーだそうで、ヒデキが最もひかれたカテゴリーなんだよね。
越川 次は「アルケミスト(錬金術師)」ですが、完全にモノトーンとメタリックだけですね。
ヒデキ
去年もメタリックはあったんだけど、鉱物やレザーやフラノ地を使って、もっとフラットでよりシンプルに削ぎ落とした感じ。イメージは“無機質なナチュラル”。ナチュラルといえば木や葉っぱを連想するんだけど、鉱物やメタルをナチュラルに捉えているところが新しいよね。
越川 「フラット」って言うのは、去年のレザーは必ずといって良いほどクロコ柄などがしっかり入っていたけど、今年のはより平坦になっているということですよね。
ヒデキ 錬金術師は結局“金”を生み出せなかったんだけど、その一歩手前で生まれた石や金属やガラクタ、それらが返って完成されてない偶然の美、未完成の完成品として再生してる。もう少し深読みすれば、一つ一つの完成された美以上に対比ではなく組み合わせによりあたしい世界をドラマチックに演出しましょうみたいな感じかな。
越川 官能的でドラマチックなテクスチャーが必要で、それが無いと退屈になりますね、ここは。
ヒデキ それがグラフィックなモザイクパターンだったり、見たことのないパターンのレーザーカットだったり。
越川
そういう意味でビックパターンのメッシュのレースとか、力強いラインの編み上げレースを効果的に使われてましたね。多面立方体の中にグルチッチの椅子が吊られていたのも、超現実的な建造物、という意味合いで象徴的。いずれにしても、テクスチャーだったり、シェイプが重要ですね。
ヒデキ メタル系モダンといえばスッキリで冷たい感じが“今”なんだけど、組み合わせることでもっとDECOしようっていうことでしょう。
越川 次の「ウィッチクラフト(魔女の工芸品)」はナチュラルはナチュラルなんだけど、今までのとは大分違っていますね。
ヒデキ
レザーや葉っぱなどの素材本来の自然美を感じさせて、本物にしかない美しさを表現している。一方でフェイクレザーや再生できる素材でナチュラルに見えるように作られた生地を使っていて、本物と模造のナチュラルとの境を曖昧にしていて、さすが魔女!(笑)
越川
またきましたね(笑)新しいナチュラルの解釈として、こけむした様な表面だったり、野ざらしにされて腐食された皮だったり、全体的にミステリアスで装飾的。今までのサラッとしたナチュラルとは全く違う新しい感覚ですね。
ヒデキ まるで魔女が大きな釜でトカゲのしっぽや木の皮を入れて魔法の薬を作るような全く新しい表現だよね。根底にはエコの思想があるけど。
越川 エコが一歩進んで、単なるエコだけじゃなくて、それでもしっかりデコレーションできるレベルまできましたね。
ヒデキ “チープなエコ”から“魅せるエコ”にベクトルが向いている感じがしました。もっと私的に言うならば、古い擦り切れたレザーのソファを張り替えるのではなく、そのソファがカッコよく見えるようなデコレーション(組み合わせ)を考えても良いんじゃないかな。
越川 裏読みですね。次は「エンチャンテッド(魔法にかけられて)」ですが、ここが一番はじけてましたね。
ヒデキ 何せルールが放り投げられちゃっているんだから、何でもアリなんだよね。「フォーチュンテラー」と思想的に似たところがある。
越川
ここでも偶然生まれた組み合わせの美しさがフィーチャーされていて、こっちの方がもっと何でもアリな感じ。だって、積み重なった椅子が回っていて、上から何色ものペンキがぽたぽた垂れてきて、ペイントしちゃってる。偶然できたデザインだけど、それがカッコいいんですよね。
ヒデキ その椅子に値札を付けて売っちゃってるんだよね。これも何でもアリ(笑)
越川 それはそれとして、市場を無視して何でもアリをやらないと新しいものが何も生まれないという事なんだけど、どこまで行っちゃうんですかね。
ヒデキ ヒデキも裸にペンキ塗って生地の上走っちゃおうかな?
越川 じゃあボクはグルチッチの椅子をバーナーで焼いてふんずけて、「これが芸術だ」って言っちゃいますよ。座れないけど・・・。
ヒデキ それじゃぁヒデキは・・・。
越川 止まらなくなっちゃうんで、話を戻しましょう。何でもアリって言うんだけど、ただ何でもアリだけではないんですよね。
ヒデキ
根底にはアートがあるんだと思う。以前発表されたモノトーンのダダイズムとマルチカラーのポップカルチャーとを混ぜちゃった感じがしてならないんだよね。
越川 山本寛斎さんや岡本太郎さんとかの世界に似ていると思うけど、インテリアにそこまで行っちゃったものはあまり無かったですね。
ヒデキ 行っちゃっていいんだよ、これからは。
越川 全体的にカテゴリーが去年までの4つから6つに増えることで、それぞれに重なる部分が増えたように思いますが、どうでしょう。
ヒデキ トレンドセッターの弾クンが言ってたんだけど、言葉で切るのではなくて気持ちでつなげたかった。その言葉通り各カテゴリーがリンクして、境を良い意味で曖昧にしているんだろう。
越川 一貫性も感じられるし、とてもわかりやすいし、今年のものはとてもおもろかった。それと、それぞれにとても深い意味が見え隠れして、それを紐解いていくとまたその向こうに裏の意味が見えてくる思想の深さがある。
ヒデキ それがエコだったりナチュラルの新しい形だったり、アート性を求めていたり。
越川 トレンドセッターがかわって、さらに日本人が入ってこれだけ素晴らしいトレンド提示がされてくると、正直嬉しくなりますね。この世界での日本の地位も確実に上がるし。ぜひ来年も弾さんには頑張って欲しいです。最後に、全体を通して見て、感じたことをお願いします。
ヒデキ もう世の中には物やスタイルが溢れていて、ともすればどんなスタイルもお金さえ出せばパンフレットや雑誌のような部屋をコピーできちゃう。それがデコレーション、インテリアというととても悲しくなるんだよね。だから偶然美だったり、誰も思いがけない組み合わせだったり、ノールールって言う“いっちゃった感”がトレンドの指針になっているんだよね。コピーできないもの、コピーでないものを全く新しい価値観や手法でもって創造していかなくちゃいけないんでしょうね。それで良いのかという物質社会へのアンチテーゼと新しい世界の幕開けと、やけにあっさりした越川クンの切り返しを感じさせてくれたトレンドビジョンでした。

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