本紙紙面
2026年10月10日配信
【この人に聞く】
英国インテリアデザイナー協会(BIID)日本支部 会長 飯沼 朋子氏
『インテリアデザイナー』という職能を日本に
社会的認知向上を目指す

飯沼 朋子氏
英国インテリアデザイナー協会(BIID)は、1965年に設立(前身団体)された、イギリスで唯一となるインテリアデザイナーのためのprofessional instituteです。イギリスにおいて「institute」という称号は、政府によって規制されており、最高水準の研究を行う組織、または高い地位を持つ専門職団体のみに認められるステータスとなっています。
BIIDは単なる交流団体ではなく「職能団体」である点が大きな特徴です。プロフェッショナルとしての基準づくり、職業倫理の制定、継続教育による能力開発などを通じて、「インテリアデザイナー」という職業の質と社会的信頼を高めていく役割を担っています。
BIIDが定義する「インテリアデザイナー」とは、商業施設、居住空間などにおいて、空間づくりをトータルに計画・監修する人を指します。ヒアリングからコンセプトデザイン、空間設計、設備計画、色彩計画、内装材の選択、カーテン・家具・照明器具などの選択、施工管理、予算管理、アフターサービスまで空間づくりのすべてに関わります。
日本ではIC(インテリアコーディネーター)が近い存在ですが、一般的にICは内装や家具、照明、カーテンなどの提案が中心です。一方、建築士は建築そのものの設計を主な職域としています。インテリアデザイナーはその両者の領域を横断するように、計画段階から完成後まで空間づくり全体に関わるのが特徴です。
BIIDは英国王立建築家協会(RIBA)とも連携し、共通の契約書を整備するなど、建築家とインテリアデザイナーが協業できる環境づくりを進めてきました。それぞれの専門性を活かすことで、空間の質を高めるとともに、インテリアデザインの価値や可能性を広げてきたのです。
さて、このイギリス式の「インテリアデザイナー」という職能を、日本の建築・インテリア業界に広めることを目的に設立されたのが日本支部です。
2009年頃から、すでにイギリスでインテリアデザイナーとして活躍されていた澤山乃莉子さんが中心となり、当時はBIIDの日本人会のような形でスタート、その後は日本でも会員が増えていき、2018年に本国に正式に認められて日本支部となりました。現在、約40名が会員となっています。
私自身は2013年にBIIDの正会員の承認を得て、日本支部(前身)の会員となり、今年度から5代目の会長を拝命しました。
会長としての限られた時間の中で、やはり日本における「インテリアデザイナー」の職能の確立と社会的認知の向上に努めていきたいと考えています。
日本での活動も10年以上が経過していますが、まだ十分に認知されるまでには至っていません。改めて、職能の確立と社会的認知の向上を目的に据えて活動をしていきたいと思います。
会員数は40名と少数ですが、国際的なアワードで表彰される会員も多く実力者が揃っています。1人ひとりが意識して行動していくことによって、認知も広がっていくものと期待しています。
また会員数の拡大も課題です。本国のBIIDの正会員となるのはハードルが非常に高いのですが、近年はオンライン面談など必ずしもイギリスに行く必要がなくなっています。Provisional Associate会員からステップを踏むという方法もありますので、
「インテリアデザイナー」という職能にご興味がある方がいらっしゃいましたら、まずは日本支部にご連絡ください。 (談)
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