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『リバマ』トップページ

　大阪府東大阪市のコマツ(株)（小松智社長）が同志社大学と共同開発した壁紙ＡＩ識別アプリ『かべぴた』については、本紙でも何度か紹介した。『かべぴた』はスマートフォンで壁紙を撮影すると瞬時に該当する品番、メーカー、掲載カタログを識別するアプリで、これまで大きな労力をかけていた「壁紙探し作業」から解放されるとして内装業界で大いに話題となっている。

　そのコマツが、また新たに内装業界の課題解決に向けた取り組みをスタートさせた。内装資材のアウトレット販売である。同社ではアウトレット通販サイト『リバマ（リバースマーケット〈再生市場〉の略語）』を開設、今年8月に本格稼働を開始した。

　「壁紙や床材は毎年のように新しい商品が発売されますが、その裏側では廃番になり行き場を失った新古品が大量に発生しています。また我々のような内装業者の倉庫にも、現場で余った資材や発注ミスなどで使用できない余剰在庫がたくさん眠っています。これらはいずれ廃棄することになります。廃棄すればコストはかかりますし、焼却処分ともなれば地球環境にも悪影響を与えます。SDGsの観点から、こうした不要になった商品を有効活用できないかという考えのもとにスタートしたのが『リバマ』です」と語るのはコマツ(株)の小松智社長だ。

　例えば、自動車業界であれば中古車市場があり新古車もその市場で流通するため、モデルチェンジがあっても廃棄されることはない。あるいは書籍にもブックオフのような業態がアウトレット市場を担っている。しかし内装業界にはアウトレット市場がないため、新品同然の資材が廃棄される事態に陥っている。
　そう考えた小松社長は、内装資材のアウトレットビジネスを発案、『リバマ』を軸にしたビジネスモデルを構築すると、事業再構築補助金を申請、その事業プランが国に認められて採択を受けた。

　その一方で、インテリアメーカー各社に対してはアウトレットビジネスの必要性を訴えつつ協力を依頼してまわった小松社長。メーカー各社もSDGs 12「つくる責任、つかう責任」に対して問題意識を持っていたことから多くのメーカーが賛同することとなった。
　「メーカーはすぐに主旨を理解してくれました。ただし懸念されていたのは、新品の販売に影響がでるのではないかということでした。それについては本格運用前にテスト販売をしたのですが、販売先の多くは新品がメインとする新築市場ではなく、小規模リフォームやDIYでのニーズが中心でした。その意味では新品とアウトレット品はすみ分け可能で、その点をご理解いただきご協力を得られるようになりました」

　こうしてオープンした『リバマ』には、すでに多くの床材や壁紙のアウトレット品が掲載されている。メーカーのアウトレット品だけでなく知り合いの内装業者の倉庫で眠っていた在庫品なども掲載されている。

　また全商品が画像付きで紹介されているが、アウトレット品の場合は画像がないケースも多い。そもそも内装業者の在庫品には画像がないものがほとんどだ。そこで同社では専用の撮影スタジオを新設、本格的な機材を導入して商品の撮影に対応しているという。

新設した撮影スタジオ

　これら商品はメーカーの倉庫から出荷するものもあれば、コマツが買い取り在庫するケースもあるそうだ。価格は商品によってさまざまで、時間の経過とともに価格も変動させる計画だ。

　「アウトレット品狙いの業者も多く、DIYユーザーには思いもよらないデザインが売れたりします。アウトレット市場は新品とは異なる動きをする点も興味深いですね」

　「メーカーも持続可能な社会に向け資源の再利用を活発に行っていますが、全国の内装業者、さらには内装問屋も同じ問題を抱えているはずです。そうした方々に利用していただけるハブのような存在になりたいと思っています。今はネット販売ですが、最終的には、協力してくれる企業が現れ全国各地に引き取り拠点を設置できれば、不良在庫は迅速に有効活用できると思います」と語る小松社長。『リバマ』を全国に広め、内装業界のSDGsとして内装資材の廃棄問題に取り組みたいとのことであった。