本紙紙面

2022年10月13日配信

【この人に聞く】
日本カーペット工業組合 広報委員会委員長 堀田繁光氏
「市場をつくる」「商品を育てる」
流通と一体となってカーペットの普及目指す

堀田繁光 氏
堀田繁光 氏

 日本カーペット工業組合では、昨年4月に約10年ぶりにカーペットの魅力や選び方などをまとめた冊子『新訂 カーペットはすばらしい』を発行しました。今回はこの場をお借りし、『新訂 カーペットはすばらしい』に込めた思いをお話しさせていただきます。

 かつてカーペットは住宅にも広く敷かれていましたが、今では新築住宅の床材として採用される比率はほぼゼロといってもいいほど低下しています。
 その背景には、ダニアレルギーやハウスダストといった問題がカーペットと結び付けられマスコミに大々的に報じられたことがあります。そうした報道のほとんどが誤解や思い込みによるものですが、当組合ではその誤解を解くべく、信州大学繊維学部との共同研究により「カーペットでのハウスダスト舞い上がり量はフローリングに比べて10分の1」であることを実証、また報道の根拠にもなっている、日本小児アレルギー学会の喘息治療ガイドラインでの「じゅうたん、カーペットは敷かない」という記述の削除を働きかけ、次期ガイドラインでの見直し検討にまでこぎつけるなど、さまざまな取り組みを行ってきました。

 その結果、近年ではカーペットを取り巻く環境が着実に改善しつつあります。一部の消費者も、インターネットでカーペットの真の情報を得ることで認識を新たにしています。

『新訂 カーペットはすばらしい』
『新訂 カーペットはすばらしい』

 しかしながら、肝心の住宅市場においては、長年にわたってフローリングを前提とした流通構造が固定化されてきたため、変化の兆しが見られません。新築ユーザー、あるいはリフォームユーザーも含めてカーペットの情報がまったく届かない状態で、内装工事店やインテリアショップもそれが当たり前のこととして受け入れている状態です。

 いかなる産業においても、その業界がすべき一丁目一番地とは「市場をつくる」こと、そして「商品を育てる」ことだと思います。当組合はモノづくりの会社の集まりですから、なかなか住宅メーカーや消費者に声を届けることはできません。市場をつくり、商品を育てるのは内装工事店でありインテリアショップの皆さんの役割ではないでしょうか。

 この状況を何とか変えなくてはならないと考え、今治、鯖江、燕三条など他業界で活性化に成功している組合を訪問し話を伺ってきました。共通していたのはメイド・イン・ジャパンの品質を、メーカーだけでなく流通の方々と一緒になって訴求していることです。その一体となった取り組みの結果、市場がつくられ商品が育っていったのでしょう。



 カーペット工業組合もカーペットの素晴らしさを、流通、すなわち内装工事店やインテリアショップとともに訴求していきたい。そのための第一歩が『新訂 カーペットはすばらしい』の発行です。

 内装工事店やインテリアショップの方々にとっても、カーペットの良さを理解した上でしっかりと提案すれば、フローリングをメインとする事業者との差別化につながるはずです。ぜひとも『新訂 カーペットはすばらしい』でカーペットの魅力を再認識してください。我々とともにカーペットの市場をつくっていきましょう。

                     ◆

 なお、来月よりインテリアビジネスニュースにて当組合の連載コーナーを設けていただくことになりました。連載では『新訂 カーペットはすばらしい』の内容を軸に最新情報やユーザー動向を加えたコラムを掲載していく予定です。ご期待ください。 (談)

日本カーペット工業組合のホームページ
http://carpet.or.jp

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