本紙紙面

2021年11月26日配信

【プロダクトナウ/デザイナーインタビュー】「Sumiko Honda」
「Sumiko Honda」の新しい挑戦 川島織物セルコン

新作「光と香りの色」メインイメージ
新作「光と香りの色」メインイメージ

 (株)川島織物セルコン(木村弘一社長)は、最高級ファブリックコレクション「Sumiko Honda(スミコホンダ)」の新作コレクション「光と香りの色」を、このほど発表した。

 新作「光と香りの色」では、初期の代表作「ボッチョーロ」以来、約20年ぶりに薔薇をモチーフに選んだ「オノラーレ」と、コレクションとしてはじめて生き物(蝶)を描いた「コンソラーレ」の2柄を展開、「Sumiko Honda」の新たな世界観を表現したものとなっている。

 その新デザインに対する思いを、デザイナーの本田純子氏に語っていただいた。

 

20年ぶりの薔薇のモチーフ「オノラーレ」
コレクション初の生き物を描いた「コンソラーレ」

本田純子氏
本田純子氏

 「Sumiko Honda」(以下SH)では、毎年新柄を発表するということを、お客様との大切なお約束として守ってきましたが、このコロナ禍で、どのようなデザインを出すべきなのかとても悩みました。昨年5月頃のことです。ヨーロッパのある植物園で、コロナ対策として人が集まらないように、薔薇が咲く前のつぼみの段階で切ってしまったというニュースが流れていました。それを見てとても残念に思ったのと同時に、世界中に薔薇が咲くのを待ち焦がれている人がいると感じました。そのときに、もう一度薔薇を描きたいという強い思いにかられたんですね。SHでは同じモチーフを使ったことはありませんでしたが、これまで積み上げてきたSHのストーリーに重ねて、初心に立ち返ってチャレンジすることにしました。

 今回改めて感じましたが、薔薇は描くのが非常に難しい花です。花びらが幾層にも重なって、奥行きがあり立体的です。それを絵日記のように2カ月くらいかけて、何種類も何十枚もスケッチしつづけました。
 イメージを固めるために試行錯誤を続けていると、あるとき、風のゆらぎで薔薇の香りを感じたんですね。薔薇は咲くときに一番強く香りますが、枯れるときにも儚くも魅力的な香りを放ちます。その香りを表現することで納得のいくイメージができあがりました。そうしてデザインしたのが「オノラーレ」です。

 「オノラーレ」は、スケッチブックに書き留めたたくさんの薔薇の中から数種類を厳選して構成しています。その薔薇1つひとつを極細の経糸と緯糸で緻密に織りを重ねて、まるで刺繍のように仕上げることで、しなやかさを表現しました。また薔薇の背景に、風と水が流れるような模様を入れることで、あたかも薔薇が香ってくるようなイメージを入れました。

 以前描いた「ボッチョーロ」は、1つの薔薇を力強く表現しましたが、「オノラーレ」は1つではなく仲間がいて、しなやかにたなびいています。多くの人に支えられSHをつくってきた今の私だからできる薔薇の表現になったと思います。

「オノラーレ」施工イメージとデザイン
「オノラーレ」施工イメージとデザイン

「オラーレ」SH9772
「オラーレ」SH9772



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