業界ニュース

2009年9月9日配信

世界初、塩ビ壁紙の完全マテリアルリサイクルが本格稼動へ

マテリアルリサイクルの叩解装置
マテリアルリサイクルの叩解装置

不可能と言われた塩ビ壁紙の完全マテリアルリサイクル(以下MRと略)。この超難題にベンチャー企業アールインバーサテック(株)(網本吉之助社長/東京都千代田区)は数年前より挑戦、見事にリサイクル技術を確立して近く工場を本格稼動させる。

我国は世界一の塩ビ壁紙の生産大国。昨年こそ不況の影響で出荷量が7億平米を割ったが、それまでは常に7億平米の大台を維持していた。塩ビは「究極の素材」と呼ぶにふさわしい性能を有しているため、壁紙としても圧倒的主流の座を占めるに到ったが、問題は表層(塩ビ)と裏打層(紙)の分離が難しい複合商品であることだ。そのため従来は廃棄された壁紙の大半が、単純焼却か埋立処分されていた。しかし廃棄物法や建設リサイクル法により塩ビ壁紙の廃棄処分は年々厳しくなる一方。また塩ビに対するダイオキシン発生の懸念も完全には払拭されていない。加えて壁紙は年間14万トンも排出されているだけに、一刻も早いマテリアルリサイクルの技術確立が求められていた。
こうした状況の中、文字どおり満を持して登場したのがアールインバーサテックのMR塩ビ壁紙再生システム。叩解(こうかい)法と言われる独自の技術を用いて塩ビ層とパルプを高純度に分離、それぞれを塩ビコンパウンド、パルプファイバーとして再資源化するこのシステムは、薬品の使用や熱処理などを伴わない点も含めて、オリジナリティあふれる画期的なものといえる。

 

高純度の塩ビコンパウンド
高純度の塩ビコンパウンド

処理工程を簡単に説明すると次のとおり。まず壁紙を20ミリ角のフレーク状に細分化した後、高速遠心叩解装置に投入する。この装置がプラントの心臓となる部分で、フレークは装置内の高速回転体に取り付けた金属製の叩解工具で叩かれ、秒速150メートル、新幹線の倍という激しい衝撃により強固な接着界面が瞬時に破壊され、塩ビは300ミクロン以下の微粉に、パルプは数ミリ大のファイバーに離解する。最後に精密分離工程を経て高純度の再生原料に生まれ変わる仕組みである。これは世界的な発明と断定しても過言ではない。

なお網本社長は10月2日(金)に開催されるインテリア文化研究所主催の秋季セミナーで、今回のMR塩ビ壁紙再生システムの全体像と特徴を1時間にわたって説明する予定。秋季セミナーの募集要項は、下記「関連記事」参照。

■関連記事

インテリア文化研究所 秋季セミナーを10月2日に開催(8月31日)
http://online.ibnewsnet.com/news/file_n/gy2009/gy090831-02.html
アールインバーサテックのホームページ
http://www.rinvtec.com/

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