特集

特集

2013年5月19日配信

【連載】Interian Color――伝統を感じて
(社)日本パーソナルカラリスト協会 渡部尚子氏

五箇山 合掌の里
五箇山 合掌の里

先日、富山県の「五箇山 合掌の里」へ行く機会がありました。1995年に世界遺産に登録されたこの地区は、かつては険しい山岳地帯だったために「秘境」とも呼ばれていたほど。急傾斜の切妻造り・茅葺きの合掌造りの家が建ち並んでいて、周りの豊かな自然と相まって、まるでタイムスリップしたかのような感覚にとらわれました。もし大勢の観光客がいなかったとしたら・・・ですが。これぞ日本の伝統的な建築様式のひとつでしょう。

色の世界にも伝統があります。国や地域、それぞれの文化により違いはありますが、皆、古くから親しまれてきたものです。
日本においては、聖徳太子の時代からすでに色を身分の違いを表すアイテムとして、使用していました。それぞれの位を色で表現するというものです。その中でも一番位の高い人が身に着けていたのが紫です。天然の植物などから染められる色はたくさんありましたが、紫を染められる植物は種類も量もとても少なく手に入りにくかったため、大変貴重なものとされていました。そのため、位の高い人の色となったのです。
その後の時代では、特定の色の使用を禁じられ、使用を制限されるということもありました。皇室の方々のみが使用する色、紫と同様に高価な染料で染められるもの、などです。それでも人々はさまざまな色を身に着けたいと思っていたこともあり、禁止された色の薄い色ならば、使用してもいいという条例も出されました。伝統色のひとつである「一斤染め(いっこんぞめ)」は、赤の染料である紅花一斤=約600グラムで二反分の絹を染めてできるような色、つまりとても薄いピンク色の色名です。なかなかおしゃれなネーミングで、昔の人のセンスには、脱帽ですね。
室町時代、茶人 千利休は「わびさび」の地味で落ち着いた色を好みました。それに対抗するかのように同時代豊臣秀吉の金の茶室に見られる派手な色の演出で、権力を見せつけました。江戸時代も後半には、経済力をつけて豪華な衣装を身に着けるようになった町人の動きをいましめるため、「奢侈禁止令(しゃしきんしれい)を出し、派手な染色などを制限しました。このように、色はその時代に大きな影響を与える重要な要素のひとつとなっていたのです。

さて、五箇山は江戸時代、和紙や養蚕、鉄砲の火薬の原料である「塩硝(えんしょう)」が主な生産品でした。塩硝は草や土、蚕の糞などを原料として、堆肥を作る要領で、数年かけて抽出する方法が用いられていたそうです。当時の加賀藩は幕府に内緒でこの作業を進めていたため、煙硝の煙の文字を塩にして、秘密裡に行っていたと言われています。そのため、冬は豪雪地帯であるこの地区が選ばれたのでしょうが、実はこれを運び出すためにはいくつもの山を越えるなど、かなりの道のりがあり、大変な行程だったと考えられます。昔の人には本当に脱帽です。

日本パーソナルカラリスト協会のホームページ
http://www.personal-colorist.org/

関連記事

powered by weblio


インテリアビジネスニュース購読案内

インテリアビジネスニュースは、インテリア専門店動向をはじめとするインテリアビジネスの最前線情報から消費者動向に至るまで、幅広く、深くインテリアビジネスに関する情報を発信しています。
より詳しくインテリア業界を知るための必携の専門新聞です。

  • ご購読のお申し込み
  • サンプル紙ご請求

IBNewsグループサイト

インテリアビジネスニュース
月2回発行
インテリア業界専門新聞
カーテン買うならこのお店
カーテンショップ選びの
総合情報サイト
TeaTime - ティータイム
インテリア専門店向け
販促ツール

Get ADOBE FLASH Player
当サイトでは、一部FLASHを使用しております。ADOBE FLASH Player をお持ちでない方は、左バナーをクリックしてダウンロードしてください。

IBNewsnetをフォローしましょう

インテリアビジネスニュース本誌

IBNからのご案内

■IBNニュースメールのお申し込み
業界最新ニュースを配信(無料)
■ニュースリリースの投稿
貴社の最新情報をご投稿下さい
■WEB広告の掲載
広告仕様、及び料金ついて

業務情報

■展示会・内見会情報
近日開催の展示会日程、会場
■インテリア関連企業 株価情報
最新の株価をチェック
■リンク集

IBN NewsMail 業界最新情報を無料でメール配信
業界最新情報を無料でメール配信いたします。お申し込みはこちら