業界ニュース
2009年11月9日配信
インテリア文化研究所 09、10年度のWT市場予測と提言を発表
2009年、2010年のWT市場予測
新築住宅着工戸数の推移と予測
小型の縦長窓が増える背景
インテリア文化研究所(本田榮二代表)は、2009年度の国内ウィンドートリートメントの市場規模をブランドメーカー出荷レベルで前年比▲18%の1750億円まで減る見通しと発表した。
年度ごとのWT市場規模は日本インテリアファブリックス協会(NIF)が集計しているが、発表が翌年1月のため、現時点では2008年度の集計数字は不明である。インテリア文化研究所では独自の調査に基づき、2008年度を前年比▲9%の2130億円と推定、その推定数字に基づき、2009年度の市場規模を前年比▲18%の1750億円と予測した。また2010年度は、上半期は厳しい経済環境が続くが、下半期は若干持ち直すと判断し、ウィンドートリートメント市場規模を前年比▲8%の1615億円と予測している。
インテリア文化研究所は、大きく落込む理由を4点指摘している。
(1)新築住宅の減少
掲載のグラフにあるように、新築住宅着工戸数は大幅に減っていく。特に今年度はこのまま推移すると、前年比▲33%の70万戸まで減る可能性がある。
(2)窓の小型化・縦長化
戸建住宅の窓は、デザイン性・経済性・機能性という3点のニーズから、西欧住宅のような小型縦長窓が主流になりつつある。窓の小型化はカーテン需要が減ることを意味し、縦長化はウェーブ(ヒダ)のないフラットなWTの増加を意味する。当然、必要とする生地は少なくなってしまう。
(3)販売単価の低下
世界経済はデフレスパイラルに突入している。競争激化で販売単価は下がる一方である。特に中国を生産拠点といる大手家具チェーンはSPA(製造小売)という手法でコストを大幅に下げ、それを販売単価に反映させている。
(4)消費マインドの冷えこみ
生活者の購買意欲は、雇用不安と収入源から冷え込んでいる。真っ先に影響を受けるのが、買い換えをしなくても生活に影響しない宝飾品や家具・カーテンなどである。
その打開策として、インテリア文化研究所の本田榮二代表は、「リフォーム需要を喚起するという立場に立ち、次の3点の取組みを強化すべき」と主張する。
(1)ウィンドーファッションを訴求する
ブランドメーカーの見本帳やインテリア専門店の店頭ディスプレイは、従来の生地見本を羅列する方式から脱却して、スタイルやファッションを重視する方向へ転換すべきである。
(2)カーテンクリーニングの積極展開
買換え需要を増やすためにもカーテンクリーニングを展開する必要がある。世界最大のインテリア市場であるドイツのインテリア専門店は、殆どの専門店がカーテンクリーニングに取組んでいる。当然、カーテンだけでなく、ブラインドクリーニングにも取組みたい。
(3)省エネへの積極的取組み
熱エネルギーの散失は窓からが一番大きい。その意味ではカーテンと省エネは密接な関係にある。今年1月のハイムテキスタイル展では「遮熱」がキーワードであった。ところが日本での取組みは皆無である。カーテンの省エネ展開の具体的方法はいくらでも考えられる。
本田榮二代表は上記3方策のうち、(2)の「カーテンクリーニングの必要性」を11日から開催されるジャパンテックスのウィンドートリートメント業界活性化プロジェクト(WTP)主催セミナーで詳しく説明する予定。本田代表は「売上2兆2000億円の超巨大企業イケヤの本拠地ドイツで、インテリア専門店はどのように生き残ってきたのか、そして如何にして繁盛したかを紹介するので、インテリア販工店の皆様は積極的に参加して頂きたい」と参加を呼びかけている。
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